「はづきさんの様子はどうだい、歳?上手くやれてるかな?」
はづきが屯所に来てから一週間が経った。土方は近藤の部屋で話をしている。
「特に変わった所はねぇな。怪しい動きもしてねぇ。」
そう言う土方に、近藤は笑う。
訝しげにそれを見る土方。
「歳、本当は彼女が間者だなんて初めから思ってなかったんだろう?」
この一言に、一瞬瞳が揺らいだ。
しかし、すぐに眉をひそめる。
「そ、そんな訳ねぇだろ。大体、かっちゃんは人を疑わなさすぎるんだよ。その分、俺がやらなきゃいけねぇ。」
土方に痛い所をつかれ、言葉が詰まる。そんな近藤にはお構い無しに話を続ける。
「まぁ、今はとりあえずはづきを信用している。ただ…。」
土方は大きなため息を一つ漏らした。近藤は黙って続きを待つ。