九条は犯人を見て言った。
「しかし、どうして君が…?」
犯人はニヤニヤしながら答えた。
「帰りたくなかったんだ…必要とされてる…帰っても居場所はないっ!」
歩は言った。
「だからって、殺していいのか?」
犯人は言った。
「与えられたんだ…力を…この島を支配出来る力を…」
九条は言った。
「力を?支配?…」
犯人は続けた。
「あんた達のような頼りない連中を…無能だと証明したかったんだっ!彼女らに…」
歩は言った。
「彼女ら?…」
「そうだっ!与えられたんだっ!神にっ!…『アマツカ』にっ…」
そこで銃声が鳴った…犯人に目掛けて…。
犯人は頭と胸を撃ち抜かれ…おそらく即死だろ…。
「余計な事をベラベラと…見苦しいですね…実に…」
九条は驚きを隠せない…。
「どういう事何だ?」
発砲した人物が言った。
「逆転の逆転ですねぇ…」
さらにその人物は続けた。
「犯人を拘束し…そして月島葵の残したメモを頼りに、脱出…実に惜しかったですね…しかしゲームオーバーです」
歩は言った。
「どういう事だ?」
「フフフ…このゲームは月島葵が死んだ事によって、とっくに終わっているんですよ…現にあなた方は、この私に銃口を突きつけられ、絶体絶命の状況です…」
九条が言った。
「僕たちを殺すのか?」
「そうなります…ただ最後にあなた方の敗因をあげるとすれば…月島葵が『犯人』=『X』と思ってしまった事ですね」
有紀が言った。
「別けて考えねばならなかった…」
「その通り…なかなか楽しかったですよ…しかしもうさよならです…私の勝ちでね」
「誰が誰に…勝ったのですか?」
聞き覚えのある声に『X』はおもわず振り向いた。
皆が驚くその先にいたのは。
美夢は泣きながら強く言った。
「葵っ!」