「始まったな…」
「ええ…皆さんさすがに、気が動転していますよ…」
「やけに楽しそうだな?」
「ええ…予定外の人間…、月島 葵…。
やはり彼は面白いです…予定外も、たまには良いものです…」
「だが、君には及ばないだろ…」
「侮れませんよ…彼は…、まぁ…最後に勝つのは私ですが…」
「君がそこまで興味を持つとは…『こちら側』に欲しいくらいだ…」
「それで…ゲームの主旨を変更しようと思うのですが……」
……午前十時……
「そうでしたか…だからあなたは戦場カメラマンに…」
戦場カメラマンになった経緯を歩から聞いた葵はアイスカフェラテを一口飲んだ。
そんな葵を見て歩は言った。
「救えないのなら、起こさせなければいい…って、考えて今のカメラで訴えるのを、俺は選択した…」
「納得しましたよ…あなたのあの怒りも…」
「痛むかい?」
葵は左頬をさすって言った。
「痛みます…殴られたからではなく…自分の不甲斐なさに…」
「話しは終わったか?」
と、話しかけてきたのは有紀だった。
有紀は言った。
「そろそろ一度解散した方がよさそうだが…」
九条が話に入ってきた。
「組分けはどうする?」
葵が言った。
「そうですねぇ…なるべくバランスよく分けた方がいいでしょう…」
皆との相談の結果組分けは決まった。
葵と美夢…。
歩と有紀…。
堂島夫婦と容子…。
九条と山村、椿…。
と、四組に決まった。
容子は愛美が死んでから一言も発していない…心に大きな傷が残った…。
それらを踏まえて、容子はこの中で一番包容力のある堂島夫婦に、任すことになった。
「では、正午に時計台に集まる事に…」
九条がそう言うと、それぞれがパーティールームを出る…。
もちろん警戒は怠らない…。
出る前に葵が有紀に言った。
「有紀さん…用意してもらいたいものがあります」
「何だ?」
葵は有紀に必要な物は物を言った。
「それなら…実験室だな…。部屋に戻る前に拠るか…」
葵が言った。
「それなら、僕らも付き合います…。今は犯人も襲って来ないと思いますが…念のために…」
「そうだな…そうしてくれると、助かる」