天使のエースは悪魔くんでした
▽
チョコパンから縮まる距離(1/10)
−トントン。
朝から響くノック音。
「絵菜。大丈夫か…?無理しなくていいぞ。休んでも…。」
ドア越しから父の労わる言葉が聞こえてくる。
「ありがとう。でも大丈夫だよ。」
「そっか。あまり無理するなよ?朝ご飯作ったから食欲あれば食べなさい。今日は早めに帰って夕飯作るから。」
お父さんの優しさが朝から沁みるなぁ。
ゆっくりと起き上がる。あー体が重い。
なんか全然寝れなかったな…。
―ピロン♪
携帯の画面を見ると千尋からのメッセージが。
「おはよう!(^^)!大丈夫か?」
千尋も優しいなぁ。朝練終わってすぐに連絡くれたんだ。
「おはよー!睡眠不足だけど学校行くよー('◇')ゞ」
すぐに既読がついた。返事早すぎたかな?
「朝練終わったしもしあれなら迎えいくよ(=゚ω゚)ノ」
朝練終わって疲れてるのに迎えにこようかなんて優しすぎる。
千尋って彼女にもこんな感じなのかなー?
だとしたら千尋と付き合う子は幸せだね!
「ありがとう!でも大丈夫だよ(´・ω・`)また学校でね(^^)/」
「そっか!気を付けて来いよ〜(*´з`)」
千尋もすごく気にかけてくれて嬉しい半面、申し訳ない。
いくら幼馴染だからって千尋に頼ってばっかもダメだよね。
そういえば宮野にも一応連絡した方がいいかな…?
って私は何考えてるんだ!!
どうせ送ったところでふーん。あっそ。って返されるだけだ。
どうせ朝からイライラするだけだ!
でも…一応助けてくれた恩もあるし…。
とりあえずお礼のメールはいれとこ。
「昨日はありがとう。この件に関しては感謝してます!」
頭を下げるウサギのスタンプと一緒に送信した。
するとそれと同時に萌香からも心配のメッセージが来た。
昨日の夜萌香には電話で事件のことを話した。
萌香は泣いて私が付き合わせちゃったからと謝ってきた。
全然萌香は悪くないのに…。ごめんね。
私は萌香に学校行くよ!と元気な文で返信した。
じゃないとまた萌香泣いちゃうもん。笑
「絵菜起きてる?俺今日学校2限からだから学校行くなら車で送ろうかー?」
バタバタと支度してる音に気付いたのか峻希がドア越しで話す。
やっぱり男性陣は優しい。胸が痛い。
「あー大丈夫だよ!一人でいけるよ!」
「うーん…。やっぱ送るよ。学校の近くまで。」
峻希って冷たい感じなのに意外と優しいんだよね。
昔からそれが原因なのかわからないけどモテてた。
バレンタインとか家まで女の子押しかけてきたことあったしね。
「んー。じゃあ学校の近くまでお願いします。」
「着替え終わったら教えて。あ、朝飯食う?」
「いいや。まだ食欲ない。」
いつもなら絶対朝ご飯食べるんだけどなー。
食欲も全然ないや。
昨日の出来事は一生引きずるのかな…?
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