Sweetデートin関西
☆奈良公園(1/5)
歳の差8歳 先生と生徒から変わっていく…



高校までずっと一緒に通ってた 裕美と大学で分かれて…久しぶりにおしゃべりを楽しんだ


まだ、行き始めた大学での生活に 少し慣れた頃


裕美は京都、私は奈良の大学だった


話しているうちに最近、ペン字を習い始めたの、千夏も一緒に来ない?って誘われた


私、斎藤千夏 18歳

確かに大人の綺麗な字がかけるようになりたい

そう思って いってみることにした


京都のとあるお寺

住職の奥様が、週に一度だけ講堂を開放して先生を招いて習字、ペン字教室をしているらしい

奥様自身も生徒なんだとか…


初日、裕美と駅で待ち合わせて一緒にお寺に向かった

駅からわりと近くにあるそのお寺は

さほど大きくないものの門や講堂の佇まいからも歴史を感じる立派なものだった

行き届いた庭園を通り

講堂に着くとまだだれもいなかった

立派な仏様が祀られお香の匂いがする

仏様に手を合わせていると…

奥様が来られた

「今日からお世話になります」と挨拶をすると

ハイハイって笑って頷いてくれた

歳は70代だろうか… 少し腰が曲がっているものの動きはきびきびと軽やかだ

これから始まる教室の為に座卓を用意されていたので手伝った


準備が整い、他の生徒さんもチラホラ来られて 練習を始めている頃

三つ揃いのスーツ姿の先生が来られた

裕美が私を紹介してくれた

「先生、こないだ言ってた斎藤さんです」

「斎藤千夏です。よろしくお願いします」

「斎藤さんね、気楽にやってみて。出来たら竹野さんと一緒に僕のアシスタントして欲しいな」

「はい、わかりました」

裕美から聞いていた

先生の使う墨をすったり
使う筆を丁寧に洗って乾かしたり…

お茶を入れたりするって

大したことではない

それで月謝が半額になるとか言ってた

裕美に教えてもらいながら そういうことをしていく

そして自分達もお手本を見ながらペンを走らせる


言われたところまで書けたら 先生が一人座っている大きな座卓の前に持っていき 見てもらう

初めてでドキドキする

「お願いします」

正座して先生の言葉を待つ…

チラッと私の顔みて…どれどれ…って言うと

黙ってしばらく見てからサラサラと赤いペンで書き記す

綺麗な手…

ワイシャツの袖を少し折って、出ている腕と手があまりに綺麗で驚いた

「バランス…」

「はい」

「軸を意識すればいい」
って真ん中にすぅーっと線を引く

フリーハンドで真っ直ぐに

「そこを意識してもう一度書いてみて」

「はい、ありがとうございます」

それぞれが一人ずつ真ん中に座ってる先生のところへ行って見てもらう

シーンと静かな…時間

先生と教わる生徒の声が時々するくらい

一心にペンで書く

心が洗われるような気持ちよさ

2時間ほどして終えた

そんな…教室通いを始めて 半年が過ぎたころ

私は先生に借りていた大事なペン字のテキストをどこかに置き忘れたのかいくら探しても見つからず無くしてしまった


申し訳ない気持ちでいっぱいで 正直に伝えると…

優しく笑って

「奈良にある書店にあるはずだから、悪いとおもってるなら買いに行くとき付き合って」って言われた

先生は26歳、私学の高校の国語の先生でもある

お洒落でいつもキチンとスーツを着ている

顔も綺麗で…裕美からは 初めから、メッチャカッコイイって聞いていた

だから通い始めたわけじゃないけど…

確かに…大人の男性の魅力満載な感じがする



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