key of ×××
story6.[泡となって…](1/15)
人魚姫は王子を刺すことが出来なかった。彼を愛しているから…たとえ泡になって消えてしまっても

「あなたへの想いは消えない…。」

こんなに想える人なんて、いつか私にも現れるのかな…。

裕貴と暮らして、もう1ヶ月経つ。
相変わらず突然襲ってくるし、変なとこはたくさんあるけれど…。
私は、彼への色んな気持ちが徐々に変わっていったことは確かなことだった。

裕貴はいつ家を出てもいいって言うけど、それを実行するほどの勇気がまだ私にはない。

そんな時、携帯の着信がリビングに響いた。

「電話かな…。」

いつも裕貴がいる時はこのリビングで他愛もない話しをしているけど、裕貴は昨日から出張中。
リビングが余計に広く感じるし、着信も大きく聞こえる

着信は姉からだった。

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