キャンディ


   優しい彼 (1/5)




「あ、もうすぐ6時間。」

ボーとしながら鏡を覗いてみた。
その顏はしゅぅ〜っと自然に姿を消した。

現れたのは見慣れた私の顏。
今日は酷く不細工な顏に見えた。

きっと心も醜いからだろう。

その時玄関の方で物音がした事に気付き、ゆっくり玄関を開けた。
そしてドアノブに袋がかかっている事に気付く。


それはあなたなんだとすぐに分かったよ。


中にはドリンク栄養剤と私の好きな苺大福。
そしてあなたからのメッセージ。

─早く元気になれよ。─

あなたらしい字で。

本当にあなたは優しくて、素直になれない自分が恥ずかしい。

あなたは私の恋人なんだから自信を持っていいはずなのに。


《ありがとう。これですぐ元気になれるよ。》

私はあなたにメールを送った。






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