裏のこぴぺ。

●[親父の病気](1/2)
沙耶ちゃんシリーズ

505 名前:まこと ◆T4X5erZs1g:2008/08/04(月) 23:38:22 ID:ZXMsBH9b0
ごめん、今回はオカルトの要素が薄い。

沙耶ちゃんにいろんなものが見え始めたのは、小学生の高学年ぐらいだそうだ。
彼女の父親と母親は、次女である沙耶ちゃんには、あまり興味を抱かなかった。
家はそこそこ裕福だったようだが、
沙耶ちゃんは食事をもらうのにも頭を下げるという、劣悪な環境に身を置いていたようだ。
ストレスのすべてをぶつけてくる親に対して、沙耶ちゃんは先回りして逃れる必要があった。
親の顔色をうかがい、金銭の制約を持ち出されないようにするために。

彼女に最初に芽生えたのは、霊を感じる能力ではなく、他人の心を読み取る感応力だった。
テレパスと言い換えたほうがわかりやすいか。
霊能力はオマケ。むしろ要らないと彼女は言っていた。

バイトで親しくなってから数ヶ月後、俺はプライベートでも沙耶ちゃんと会うようになっていた。
・・・と言っても、彼女が大学から帰ってくるときに、車を用意するだけの関係だったがorz

俺が30を目前に控えたある日、沙耶ちゃんが真面目な口調で切り出した。
「まことさんって、ご家族に恵まれてないですよね?」






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