★時の架け橋★
[現代 ](1/9)





「「「ありがとうございましたっっ!!」」」








体育館に隣接されている道場では、高校生くらいの女子達の掛け声で満ちた。







円になり、礼をする彼女達を見てみると、皆袴を着ていて、手には竹刀を持っている。







そう、此処は女子剣道部だ。







どうやら終わりの様で、一斉に多方向へ人が散らばり始めた。






そんな中、







唯「あぁっ!!疲れたぁ…」






ちぇっとブツブツと文句を言いながら、一人の女子が竹刀を振り回す。






大石唯、高校2年生。







彼女は剣道を小学校から続けており、腕前は部の中でかなりある方だ。







先輩にも一度も負けた事が無く、高校に入るまでは無敗だった。







のに………………






唯「また、美鈴に勝てなかったぁ………っ!!!!」






唯にはただ一人、絶対に勝てない人がいる。







奈々「しょうがないって、あの美鈴相手なんだしね〜」








もう一人の女子、高橋奈々の様子からすると、唯はいつも”美鈴”の事でいじけているらしい。







唯「うぅ…次は…次こそは絶対に勝つから!分かった?美鈴!」








唯は奈々に頭を撫でられながら、少し立ち直った様で…






入り口の方にいる美鈴に声をかけた。

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