それでもキミが。
2[現実です。](1/20)
∞∞∞∞∞∞∞
頭がズキズキする……。
ふと目を開けると、そこは真っ白な世界だった。
「……羽月?」
優しい声が響き、視線を横に向けると、そこには母親の姿が。
その隣には、眉を下げたお父さんがいる。
「おとう、さん……おか、さん……?」
「そう。分かる? ここ、病院よ。もう何も心配しなくていいから」
「……なに、を……?」
「え……何をって……だから、……羽月、あんた……覚えてないの?」
「………」
お母さんが言った言葉が、頭の中でグルグル回る。
──覚えて……?
私……バス停の屋根の下で、蒼君が忘れ物取ってくるのを待ってて……
あれ……?
そこから、どうしたっけ……?
何が……?
何が……
そこまで考えた時、尋常じゃない痛みが私の頭を襲った。
「……いっ! いた、いっ!! うー……」
「羽月! 羽月!! あなた、先生をっ……」
お母さん達の声が、遠い。
頭に小さく響いてる。
痛い。
暗い。
怖いよ、蒼君……!
……蒼君……?
蒼君は、どこ……?
蒼君
蒼君
助けて……!
痛いよぉ……。
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