クラス対抗バスケの話（1/8）
本当に今考えても意味がわからないんだけど、私と拓真くんが通っていた高校には謎のクラス対抗バスケ大会という行事があった。
体育祭も球技大会もあるのにその他にバスケ大会。私はそれをHRで担任に聞いた時、本当に心の底から「何故？」と思った。
開催する意味はもちろんわからないし、何で色んな競技がある中でバスケが選ばれてるのかもわからない。
終始ピンと来ないままHRを終えて、教室を出ると、
「お前のクラス何でこんなおせえんだよ」
拓真くんご立腹。
廊下に寄りかかって教室の扉の真ん前に立っている拓真くんはそれだけで迫力満点で、クラスのちょっと大人しめの男子なんかは目を合わさないようにそそくさと教室を出て行った。
「すみません小野先輩」
「名前！！」
「あっすみません」
「敬語！！！」
そしてこの時はまだ付き合ったばかりの頃。前に『名前の呼び方の話』で書いた呼び方矯正の真っ只中で、拓真くんはそれはもう目敏く指摘してくるから、そっちに夢中になっちゃって、帰り道にはすっかりバスケ大会のことなんか忘れていた。
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