運転免許の話（1/8）
私達の通っていた学校は申請を出せば免許を取りに行ってもいい割とゆるーい学校だった。
だけど、それをまだ知らなかった付き合ったばかりの頃、デートの時にバイクで現れた拓真くんに「……まさか無免ですか？」と聞いて「んなわけあるか！ぶっ飛ばすぞお前！！」と鼓膜が破れる勢いの大声で怒られたという思い出がある。
「免許持ってるんですか？」
「持ってなかったら捕まるだろうが。当たり前のこと聞いてんじゃねえよ」
「いや…だって普通に免許持ってるなら学校にバイクで来そうだなと思って」
ていうのも、実際バイクで途中まで通学して近くの駅の駐車場に停めて来る人とか結構いたのに、そういう人たちの中心にいる拓真くんは普通にチャリ通だったから、単純に免許ないのかなあくらいに思ってたから予想外で、
「学校に乗ってこないんですか？」
思わず聞いてみたら「学校にバイクで行ってどうすんだよ。途中で停めて歩くのなんて効率ワリーだろ」とめちゃくちゃ正論かまされたのをよく覚えてる。
そんな拓真くんは付き合って少し経った頃、今度は車の免許を取りに教習所に通いだした。
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