あなたの温度~ツインズ~
[共に未来を…](1/11)

「まさか本当に再婚するとは。」

年末のバタバタと共にアキラさんの両親が
改めて夫婦という形になった。
母親は手術は出来る範囲の事はして、
治療はずっと続けているものの、
かなり回復してきているように見える。

今は父親と遥歩さんが住むアパートに
二人で暮していて、遥歩さんはこれを機に
一人暮らしを始めていた。

「こんな事もあるんだね。」

あたしも一度別れた夫婦が再婚するという
稀な展開に驚いた。

「俺らもあと数ヶ月で夫婦になるけどな。」

寝る前にベッドで横になりながら話し、
アキラさんはそう言ってあたしの手を握る。
そうだ卒業したら籍を入れる。
それまであと三か月くらいなのだ。

「実感湧かないな。アキラさんとの現在って
出会った頃は考えもしなかったもん。」

「今じゃお前との未来しか考えられねぇけど。
俺を幸せにしてくれてありがとうな。」

そう言われて目頭が熱くなるのを感じた。

「幸せなのはあたしの方だよ。」

「泣くなよ。俺はお前がいなきゃダメなの。
お前がいるから幸せで、生きてられる。」

熱くなった目頭を抑えると、アキラさんに
そう言われて、余計に泣けた。



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