あなたの温度~ツインズ~
[引き継ぎ](1/22)

その後、あたしはアキラさんのお店に行くのを
パタリとやめてしまった。

春休みは蓮は毎日タクトさんのお店に行き、
あたしはタクトさんにも顔を合わせ辛くて
集会の時一度行っただけだ。

幸いその日アキラさんはいなくて会わぬまま
中学二年生になり爆鬼薇は浮き足立っていた。

六月二日、ヒロトさんは十八歳になるのだが
その日生誕祭をやると共に引退するのでは
という噂になった。

学校を辞め、仕事を始めたヒロトさんは
なかなか活動に参加できなくなってきていた。
そこで四代目に引き継ぎ引退、そしてそのまま
亜希さんと結婚かと誰かが言い出した。

すると噂を耳にしたヒロトさんが、自ら

「噂は本当だ。俺は引退を考えている。
四代目はよく考えた上で指名するつもりだ。」

と言って、みんなそわそわし始めたのだ。
有力候補は理玖さん、薫さん、遥歩さん。
やっぱり物凄く強いし、秀でた存在感がある。

だけど、あたしは蓮を指名して欲しいと
密かに願っていた。ヒロトさんと同じ
中二で総長になるのが蓮の夢だったから。

蓮はどんどん強くなっていったし、
頭も使って周りをよく見て動く様になった。
強さで言えばヒロトさんに近くなったと思う。

「なりてぇなでもあの三人の誰かだよな。
悔しいけど俺じゃねぇんだろうな。」

蓮は悔しそうだったが、あの三人の誰かなら
間違いはないだろうし、ヒロトさんの
決めた事に反論する気は毛頭なかった。


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