私、可愛くなりました
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ガチャッ
「どうぞ…」
「お邪魔します」
奏は何回も私の家に来たことあるけど、それは子どもの頃の話であって……
中学に入ってからは一度もなかったから、大分久しぶり。
「えっ…」
「あ?何?」
リビングの机の上にあった置き手紙…
「ママ、遅くなるって……」
なんで今日に限って!
パパはいつも遅いし……
「ふーん。」
どうしよう、気まずすぎるよ!
「あ、そうだっ…!傷の手当てしないと…」
「んなもんいいから」
「ダメだよ!血出てるんだし…」
________
「ちょっとしみるかもしれないけど、、」
消毒液をつけたガーゼを、口元に当てた。
少し痛そうな顔をした奏…
「ごめんね、私のせいで…」
「こんくらい大丈夫だって」
「でもっ……!「じゃあさ、傷口舐めろよ」
は?!
突然何を言い出すの……?
「舐めると治るって言うじゃん」
「で、でも、今消毒したし…」
「しみただけだよ」
「じゃあ、自分で舐めてればいいのでは…」
「誰のせいでこうなったんだっけ」
うっ……
今日の奏変だよ。
いつもは話してもくれないのに!
「目、瞑って…?」
目を瞑った奏の顔が美しすぎて、少し戸惑った。
ゆっくりと顔を近づけていく。
これって、まるで……
キスみたい
どうしよう、恥ずかしいよ////
付き合ってもないし、私のこと嫌いって思ってる相手にこんなことしてもいいの?
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