恐怖の怪談話(怖い話)
[事故現場](1/1)
私の家は二階建てのアパートで、大通りから少し離れた細い道に面しています
その道は近所の小学生の通学路になっています
車の通りは多くはないんですが三ヶ月ほど前に事故があり小学生が乗用車に引かれて死んでしまいました
その現場というのが私の部屋の窓からちょうど覗ける位置なんです
その事故から二週間ぐらいたってからでしょうか、その事故現場には毎日新しい花束とお菓子がおかれるようになったのに気付きました
それからしばらくしたころに夜そこを通るとお弁当箱が置かれているのに気付きました
注意してその現場を気にしているとどうやら朝に花束とお弁当、お昼にもお弁当、小学生が帰ってくるころにはお菓子、夜にまた新しいお弁当、と置かれているようです
どうやらそのなくなった子のおかあさんか誰かが毎日その時間になると置いていくようだと気付きました
女性がそこにしゃがんで、ぼうっとしているのもなんどか目撃しました
それに初めて気付いた時は本当に胸が苦しくなりました
すこし異常にも思えましたが子供をなくすとこうもなってしまうものなんだろうなと
それからしばらくたった深夜に女性が毛布に包まってその現場にしゃがんでいるのを窓から目にし、さすがにこのときは少しぞっとしました
その日から深夜に窓から覗くと毎日その女性が毛布に包まり座り込んでいます
その女性の気味の悪い行動は徐々にエスカレートしていきました
はじめは座っているだけだったのが話し声が聞こえるようになり、深夜の町に声が響くようになってきました
話の内容まではわかりませんでしたが、だれかが警察を呼んだのでしょう。警察に連れて行かれた事がありました
その時の抵抗といったらすさまじいものでした
すごい大きな声で「やめて!はなしなさーい!ゆう君がこわがっているじゃない!」と言っていると思うと
今度は「殺してやる!おまえもだ!」なんて恐ろしいことも言っていました
それでもなんとか警察は連れて行ったようで声が聞こえなくなるとほっとしました
それからしばらくはその女性も来なくなったのですが
二週間ほど前の夜です。窓から覗くとまたいました
いたというより、そこで死んでました
サイレンの音で気がつき窓から覗いたんです
そしたら、降ろそうとしている最中でした
事故現場のすぐそばにある電柱で首をつってました
そしてその女性と目が合いました…あったような気がしました
それから男の子をその現場で見ました
警察や消防の人の人だかりから少しはなれたところに深夜なのにランドセルを背負った男の子を…この子が幽霊かどうかはわかりませんが明らかに異様な状況でした
それ以来窓は決して開けられなくなりました
窓から顔を出してその現場が目に入るのが怖いのです
私は在宅での仕事をしており深夜机に向かうことが多いのですが机でうとうとするとどうしても
「おまえもだ」
という女性の声が聞こえてきてしまいます
アパートの二階は3部屋あるのですが私以外の二人はすでに引越ししてしまいました
私もはやく出て行きたいです
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