小西家の憂鬱
小西 涼介 3(1/4)


「なんだ、もう食べないのか?」

「・・・うん。もういらない」

父さんが持ってきてくれたご飯を2口だけ食べると、箸を置いた。


「何処か具合でも悪いのか?最近食欲がないみたいだけど・・・」

と、父さんが俺の額に手を伸ばして熱があるかみようとするが顔を背けた。


「食べたくないなら食べなくていいって!
時間がないんだから、わがまま言う奴の事なんかに構ってられないからっ!」

洗面所から母さんの怒鳴り声が聞こえてくる。


「でもさ、ここ数日飯食わないの続いてるし、一度病院に連れて行った方が・・・」

「ならアンタが連れて行ってよ!
私はパートと家事で忙しいんだからっ!
誰のせいで私がこんなに働いてると思ってんの?
アンタの給料が安いから私が仕方がなくパートに出てるんでしょ?
お金があればねー!専業主婦でたっぷり子供の面倒をみてあげられるんですけどねー!」

俺のせいで父さんと母さんが喧嘩をし始めた。


「いや、大丈夫。起きたばかりで食欲ないだけだから」

リビングを出て、部屋へ戻った。
着替えもすんでるし、後はカバンを持って学校へ行くだけなんだけど・・・・・・・・・行こうという気が起こらない。

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