ヴァンパイアと人魚姫
[出会い](1/6)
「月が上った。今宵も我々の時間がやってきた。エレス行くぞ…」


「はい父上。」


俺はヴァンパイアだ。


今夜も獲物を探して地上に行く。


ヴァンパイア界と人間界を行き来するには、月の近くにあるドアを通らなければいけない。


だから夜しか、人間界に行けないし戻れないのだ。


「今夜の獲物はあそこだな。」


父が指を指した先には海に浮かぶ海賊船だった。


「父上。いつもは地上なのに何故?」


「地上の血には飽きたからな。たまには海の人間の血も良いだろう?」


ニタリと笑ってきた父に実の息子である俺でも寒気がした。


「はい。父上。」


俺達は、海賊船に乗り込んだ。

- 2 -

backnext
/90 n

⇒しおり挿入


⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?


back