恋の魔法と甘い罠Ⅱ

◇[嫉妬](1/44)

「ここ空いてる？」

早めに社食に来て食べ始めていると、そんな声が耳に届いてきて顔をあげる。

そこにいたのは同期の鷹山くんで、空いている隣の席を指している。

「うん、空いてるよ」

「ラッキー」

あたしの声に嬉しそうにそう言うと、鷹山くんは食事が乗ったお盆をテーブルの上に置いてから椅子に腰かけた。

「はえーな、もう食べ始めてんの？」

「うん、今日は交代で昼食を摂ることになってて、あたしが先に来たんだ」

交代で昼食の時、先の場合は昼時間の少し前に休憩に入ることになっている。

「そうなんだ」

そう言いながらおかずのとんかつを口に放り込んでいる鷹山くん。

そのあとご飯も掻き込むように口の中に入れるから、詰まらないのかと心配になってしまう。

- 492 -