☆2人だけの夜 ( 1 / 6 )
閏くんが、焼酎を作りながら聞いてきた。
「時間平気?」
あ。そうだよね、私じゃまだよね。
今から山ニイ来るって言ってるしね。
「電車の時間もあるし、そろそろ」
と私が言うと、閏くんがすかさず言った。
「俺、送るから、電車関係なかったらまだ居られる?家は厳しい?」
いや、家厳しいとか、ないでしょ?
私、家主だし。笑
今日は、海は実家にお泊まりだから、私だけマンションに帰る。
明日の午前中に迎えに行けばいいから、それまでなら全然遊んで居られる。
でも完全に私を独身と思ってるよね?
「全然、大丈夫なんですけど、閏くんがご迷惑じゃなければ」
「じゃあ、良かった!俺、絶対送ってくから、安心して飲んで!」
閏くんは、誰かと飲みに行ってその人が潰れたらちゃんと介抱する面倒見のいい人。
テレビや雑誌で何度も話題が出る、ファンの中では有名な話。
甘えちゃってもいいのかな?
でもこれ、ふつうの独身の女の子に対する言葉じゃないのかな?
なんか、騙してる気がして。。。
「あ、あ、あのね、閏くん、私ね、実はバツ。。。」
苦しくなって言い掛けた瞬間、個室のドアが開いて、私の声が遮られた。
「おつかれー、閏!」
「山ニイ!早かったね!」
ハイタッチをする2人。
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