背徳カタルシス
5、拾われる。(23/23)





「ちょっ・・・」



「自分から誘って
おきながら、随分と
驚いた顔をするんだな。」




楠先生はそう言うと、
じっと、強い瞳で
あたしのことを見下ろす。





あたしは、この場を
どうしたものかと、
策をめぐらした。



この人のことだ、

今だってあたしを
驚かせて、

「やる気がないなら
そういうことは言うな」

とか言うに違いない。



あたしはごくりと
生唾を飲み込むと、

服を引っ張りあげて
口元を隠しながら、
チラリと先生を見た。




あなたがそういう
つもりなら、

どちらが根を上げるのが
早いか、勝負しましょ?





「先生っ、




先生なら、

こうして助けてくれたし、


あたし・・・・・」







うるうると、


先生を見つめて、


胸をぎゅっと寄せて、


ギリギリまで露出させた
足をもじもじさせて。





さあ、先生はどうするの?



まだ、この茶番を
続ける?










「・・・・あんたには
彼氏がいるだろうが。」






勝った、ね。




この駆け引き、あたしの
方が上手だったみたいで、

先生はふっとあたしの
上から立ち退くと、
大きなため息をついた。




あたしはひょこっと
起きて、ニッコリと笑う。




「冗談ですよ。

ちょっと先生を
からかおうと思って。」



やられっぱなしは
悔しいもの。



あたしがフフンと
笑うと、先生は
頭を抱えて、

ギシッとスプリングを
軋ませながらベッドから
立ち上がった。




「悪趣味な冗談だな。


彼氏がいるなら、今の
冗談はやめておけ。


次は本気にするぞ。」





先生はそう言うと、


「もう寝ろ。」

と、電気をけしてしまった。






つぎは、


本気にする・・・・・・





これも、きっと脅し。




あたしは先生の
ベッドに潜り込むと、

香の薫りを感じながら
目を瞑った。





明日は、





おばあちゃんに
謝りに行かなきゃ――・・・




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