きれいな空〜大学生編
[決断](1/8)




千「実彩子、家に帰るんだよね?」


玄関で靴を履いていると後ろから千晃がそう聞いた


実「・・・」



真「まさか帰らんつもりちゃうよな?」



実「・・・泊めてくれてありがとうね」


私はそれ以上何も言わず

千晃と真司郎にお礼を言って家を出た



行き先は自分の家じゃない

ただ、

外に出たかった



重い足取りだけど


ただ

歩きたかった



1人で考えたかった




太陽の光が眩しくて


思わず目を細めてしまう



でも空は雲一つない


どこまでも青空が広がっていた






私の存在って何だろ?

隆弘にとっての私って




この20年

私は貴方以外を愛した事は

一度たりとも無かった





歩きながら

今までの事を思い返す



幸せだった日々


喧嘩した日


愛し合った日



どれも全て

私のなかに

鮮明に思い出される





隆弘、



決めたよ?




強くなる


強くならなきゃいけない






だから

私のワガママ

聞いてくれるかな?










私、

貴方から

離れてみようと思うんだ





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