わがままハニー

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修羅場(3/4)
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「そういえば、高原さんと三嶋さんて本当にただの同僚なんですか?」


由香さんからの突拍子もない質問に、ついビールを吹き出しそうになった。


「な、なに言って…」


無邪気だなあ。
あなたの隣にいる人が彼氏ですよ!なんてとても言える空気じゃない。




「んー、まぁ俺は好きだけどね」

「は?」

「言わなかったっけ?お前ずっと彼氏いたから望みないかなーって思ってたけど、意外なところからチャンスが舞い込んできたからそろそろアピールしようかなって思ってたとこ」


ね、と可愛く子首を傾げる高原。

なにこれ。もしかしなくても、祐介への仕返ししようとしてるの?




「三嶋さんの彼氏さんて、どんな人なんですか?」

「…んー、聞いてもつまんないと思うよ」

「えー、こんな素敵な高原さんを差し置いてお付き合いしてるかたなんだから、素敵に決まってます!」



いやだから!
あなたの隣のくそ男なんだって!


とは言えず。



「最初は、優しかったな。私が丁度仕事の事で悩んでて、毎日相談乗ってくれたの。…私は、上手くいってるつもりだったんだけど」



やばい。飲みすぎたのかな。
泣きそうだ。




「三嶋。悪かった。帰ろう」

「っ、ごめん」



祐介の事、凄く好きだった。

自分だけが上手くいってるつもりだった事がなんだか酷く悲しくて、本当は祐介の気持ちを確かめたかった。
由香さんの事が好きなのなら、そういって欲しかった。



高原が立ち上がって私の肩を抱く。

もう、祐介の事は怖くて見れなかった。






「あ、俺は三嶋以外どうでも良いんで言っちゃいますけど、あなたの大好きな祐ちゃんは三嶋の彼氏だから。」

「ちょ、高原!」

「悪いね。三嶋は俺が貰うから精々由香さんと仲良くやるんだな」








そのまま外に連れ出されてタクシーに押し込められる。




「高原!何で言うの?!」

「俺は三嶋みたいにお人好しじゃない。あ、駅までお願いします」

「でも、」



ぐい、と腕を掴まれて、高原との距離が詰まる。

こんな真剣な顔は久々に見た。





「言っただろ。俺は三嶋が好きなの。泣かせるようなやつは認めない。」

「…な、にそれ…」

「さ、俺の家で朝まで飲もうぜ。」

「え?!」


「だいじょーぶ!変な事はしないから!」













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