四章(1/4)
カノンが来なくなって、一週間ぐらいになった。僕はずっとドアを見ていた。カノンが来たら笑顔で久しぶりって言ってあげるように。
「元気ないわよ。どこか痛いとこでもあるの?先生呼んでこようか。」
お母さんは病室から出ようとした。一人になるのが嫌で何もないよって答えた。
「なら、いいけど。」
お母さんは僕の頭を撫でてくれた。一瞬固まった。手には僕の髪があった。
「明日帽子持ってくるね。」
僕は頷いた。薬がきつくなっている。髪の毛が抜けてきている。歩くのも精一杯。カノンを探し回ることも出来なくなってきてる。
カノンに会いたい。
今何してるのだろう?
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