君と描く未来【完】
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「水瀬。」


月曜日の午前中早々に私は坂上さんに呼ばれた。



金曜日の今日で少し気恥ずかしい気もするのだけれど、坂上さんは案の定いたっていつも通り。



「実は綿谷部長からお誘いがあって…うちの部署と隣の部署で合同の飲み会をすることになったんだよ」


「…はい。」




あからさま過ぎただろうか…



部署同士の飲み会とは珍しくはないものの人数が多ければ多いほど少しばかりめんど…いえ、大変なのだ.



「そんな顔しないでくれ。うちの部長もああだから快く受け入れてさ、何かと面倒かけると思うけどよろしく頼むよ。」



坂上さんも少し苦笑気味に言った。



「今週末ですか?」



「ああ、場所は向こうで決めてくれるみたいだから特にすることはないんだけど…」


そこまで口にして少し沈黙。


私も坂上さんの次の言葉を待つために口を閉じたまま。



すると…


「向こうの男性社員には気をつけてくれよ。」



何とも意味深な言葉。


それが果たして彼のことなのか、男性社員全般なのか…



「…はい?」


多少の誤魔化しも含め、私は表情をかたくする。



「いや、今のはただの俺のわがまま。水瀬は案外隙だらけだから。」


「そんなことは…」


「この間みたいに無理して飲んで酔っ払われたら気が気じゃないしな。」


「……。」



それにはさすがに返す言葉も見つからない。



「気をつけます…。」


少しだけ小声になった私に一度小さく笑うと、



「嘘だよ、俺がちゃんと見てるから大丈夫だ。」


今度は優しい声でハニかんだ。



それだけで、一瞬心の中がチクリと痛んだ気がした



…ああ、私はこんな素敵な人から想われているんだ、そう思えば思うほど自分の不甲斐なさを大きく実感するようで…


坂上さんはゆっくりと言ってくれたけどでもやっぱり…



私の心の大半を占めているのはどう考えても優木君。



もう気が付いてしまった。




それなのに、こんな坂上さんをキープするみたいなそんな…







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