君と描く未来【完】
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運が良かった。

坂上さんの姿はまだ見えていない。



ホッと一息つきながら、さっきの優木君とのやりとり思い出し、一人顔を熱くする。


…強引にも程がある。


もう何度そう思ったかわからない。


でも…


私はブラウス越しにそっと、優木君の”印”を撫でる。



印かぁ…


まるで、自分が優木君のもの。

とでもいうような…

きっと優木君からしたらそういうつもりも少なからずあるんだろうけど。



そんなことを考え込んでいると、


「悪い、色々説明してたら時間かかって…」

坂上さんが息を切らして、こちらにやってきた。


「いえ、そんな。時間もまだ大丈夫ですよ。」


私も来たばかりです、なんて言えるはずもなく。


「とりあえず行こうか。」


そう言った坂上さんに一度頷いて、私達はタクシーに乗り込んだ。




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