たそがれ怪奇譚
[月光篇その3 葵ちゃん](1/3)
それから数日後、たそがれ町ではこんなうわさが広まっていた。
ある所に病弱な少女がいた。彼女の名は葵。病気のせいで学校にも通えないので彼女はいつも一人だった。人形だけが友達だった。ある時葵は死んだ。それ以来彼女の霊が町に現れ出会った人を人形に変えてしまう、といううわさだ。そのうわさを狐月達は調べようとしていた。
「本当にいるんならなんとかしないとな」
「同感だ。霊がこの世に留まるのはあまり良くない」死神も同意する。今回は死神もついてきた。
そして狐月達はそのうわさの場所ヘと向かう。
「この辺のはずだが」
「ねえ」
「!」
狐月の目の前に少女が現れる。
「私と遊んで」
「いいぜ。何する?」
狐月が即答する。狐月は子供には優しいのだ。
「えっとね、人形遊び!」
次の瞬間、狐月が人形になった。
「狐月さん!」
月影が叫ぶ。
「このガキただじゃおかねえ!」
死神が大鎌を構える。
「待ってください。相手は子供ですよ」
「じゃあどうしろっていうんだ!」
「私に任せろ。どれ、私が遊んでやろう」
黒月が前に出る。

- 50 -

前n[*][#]次n
/146 n

⇒しおり挿入


⇒作品レビュー
⇒モバスペBook

[編集]

[←戻る]