たそがれ怪奇譚
[追憶篇最終話前篇 神隠し](1/1)
オカルト同好会は再び町の伝承を調べていた。今度は狼月が霊能者になるまでの経緯についてだ。
「狼月は幼少期に神隠しにあっている。それ以来霊能力が身についたそうだけどそんな事ってあるのか?」
「それについてはなんとも言えないな。月影さんに聞いても知らないだろう」「だよな」
この通り調査は進んでいない。
「とりあえず狼月が神隠しにあったというかわたれ山に行ってみるか」
「何もしないよりはましだな」
「私も行っていいですか?」
理佳が尋ねる。
「ああ、お前もオカルト同好会の一員だからな」
零二が答える。
「ありがとう。お兄ちゃん」
そして彼らはかわたれ山に向かった。
「何か見つかると思ったけど何も無いな」
淳也がぼやく。
「当たり前だろ。そろそろ帰るぞ理佳」
しかし返事は無い。
「理佳?」
振り向くとそこに理佳はいなかった。
「理佳!」
何度呼んでも返事は無い。その後彼らは町中を探し回ったがそれでも理佳は見つからなかった。理佳は神隠しにあったのだ。

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