たそがれ怪奇譚
[追憶篇その4 ヒトクイと死神](1/4)
あれから三か月後、オカルト同好会は一つの都市伝説を調べていた。
「ヒトクイって知ってるか?零二」
淳也が尋ねる。
「ああ、三年前に死刑になった猟奇的殺人犯が化けて出るって話か」
狐月が話を引き継ぐ
「その殺人犯はカニバリズムだったって話だ。その霊が人を襲って食うとかいうあれだろ?調べる気か」
「もちろんだよ。最近この町で猟奇的殺人事件が起きているけどあれってヒトクイの仕業じゃないかと思うんだ」
「やめろと言っても聞かないんだろ?仕方ねえ。付き合ってやるよ」
狐月が呆れてそう言った。そして彼らは放課後を待って調査を始めた。
「今のところ異常はないな」
調査と言っても彼らに出来る事は事件の現場を巡る事くらいだ。手がかりなど一切無いのだから無理もない。
「なあ、これって何か意味があるのか?」
狐月がぼやく。
「あるよ。犯人は現場に戻って来るって言うだろ」
「普通の犯人ならな。もしこれらの事件がヒトクイの仕業なら期待はできない」
零二がもっともな事を言う。その直後の事だった。
「ぎゃあああー」
「なんだ!」


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