たそがれ怪奇譚
[追憶篇その3 異世界](1/5)
時は流れて、オカルト同好会の面々は高校生になった。この間の大きな変化といえば狐月と零二が恋人として付き合うようになった事だろう。そして現在、彼らが二年になった頃の話だ。
「なあ、異世界ってあると思う?」
「急にどうした淳也。一体何の話だ」
「だから異世界だよ。平行世界。パラレルワールドとも言うな。異世界ってあると思うか?どう思う?零二」
「俺達が認識できないだけで本当はすぐそこに存在しているのかもしれないな」
「神埼先輩!」
一人の少女が部屋に入ってきた。彼女の名は四谷理佳。零二の妹でオカルト同好会の新メンバーだ。狐月のファンらしく、それがきっかけでオカルト同好会に入った。
「どうした?理佳」
狐月が尋ねる。
「差し入れ持って来ました」
理佳はケーキの入った箱を持っていた。
「ちょうどいい。それじゃ一休みとするか」
零二が提案する。ケーキは全員分あった。


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