俺が彼女を好きな理由

名前(1/2)







あの日以来名前を呼ばれたことがないといったが、
不思議なことに本当にない。






いつもは如月君だが、たまに如月と君無しで呼ばれるだけで
(これでもドキッとくるのは内緒)







優希という名前を呼ばれたいのも確かだが、如月君が定着している今、
あまり気にすることはなくなった。





「お前と桐谷さんって付き合ってるんだよな?」




「付き合ってるけど?」




「だよな。」




当たり前のことを当たり前のように聞いておいて、一人ブツブツ言ってるこいつは親友の拓真(たくま)だ。





幼稚園からずっと一緒で、いわゆる腐れ縁っつーやつである。







「てかなんだよいきなり。」




「いや、ちょいと疑問に思った事があってよ。」




おいおいなんだその意味深な感じの顔は。





いつもはちゃらけてる拓真が真面目な顔するって怖い(酷いやつだ俺)





どんな言葉が来るのかやけに気になってソワソワしちまう。






緊張する(とか嘘)。






- 7 -
前n[*][#]次n
bookmark
/8 n


⇒作品レビュー
⇒モバスペBook

[編集]

[BACK]