俺が彼女を好きな理由
名前(1/2)
あの日以来名前を呼ばれたことがないといったが、
不思議なことに本当にない。
いつもは如月君だが、たまに如月と君無しで呼ばれるだけで
(これでもドキッとくるのは内緒)
優希という名前を呼ばれたいのも確かだが、如月君が定着している今、
あまり気にすることはなくなった。
「お前と桐谷さんって付き合ってるんだよな?」
「付き合ってるけど?」
「だよな。」
当たり前のことを当たり前のように聞いておいて、一人ブツブツ言ってるこいつは親友の拓真(たくま)だ。
幼稚園からずっと一緒で、いわゆる腐れ縁っつーやつである。
「てかなんだよいきなり。」
「いや、ちょいと疑問に思った事があってよ。」
おいおいなんだその意味深な感じの顔は。
いつもはちゃらけてる拓真が真面目な顔するって怖い(酷いやつだ俺)
どんな言葉が来るのかやけに気になってソワソワしちまう。
緊張する(とか嘘)。
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