*[上條光貴](1/9)
「あー…だりぃ…」
重いまぶたを少しずつ開けると見慣れた天井がそこにあった
俺どうやって帰ったっけ?
ガンガンする頭を回転させ考えようとするが何も覚えてない
飲めない酒を無理して詰め込んだことと…締め付けられる心臓とふゆの笑顔だけしか覚えていない
ふゆの笑顔は玉ちゃんのようなヒマワリのような満面の笑顔とかじゃなく例えるならかすみ草のような
例えるなら小さな子供が誕生日の日に出てくるイチゴのケーキを見た時のようなわくわくした笑顔
控えめだけど優しい見る人を幸せな気持ちにさせる笑顔だ
何年ぶりかに会ったふゆの笑顔は俺たちが終わったあの日の笑顔
瞳に絶望と悲しみを湛え必死に隠し無理に笑う
そんなのふゆの笑顔じゃねぇよ
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