インターハイ、県予選。
地区予選を勝ち抜いた速い奴が、この大会で地方予選に進出する為に戦う。
ここからはインターハイレベルの選手もいる訳で、常に駅伝や長距離の大会では表彰台にいる東北育英がいるこの県は、熾烈な争いになる事間違い無しだ。
「中長はキツそうやな〜」
この大阪人は他人事のようにプログラムを見る。
混成競技は敵がいないようなレベルの低いものらしく、しほ先輩曰く「出るだけで地方予選」らしい。
こちとら県予選で落ちそうなのに、よくもまあ他人事のように…
「おい、大和…」
智康が心配そうにプログラムを見せる。
「なんだよ、お前だけ違う組とかか?」
違ぇよ、とキレ気味に返すと、押し付けるようにプログラムを渡す。
「げっ」
俺の口から思わず変な声が出た。
「俺だけ違う組じゃねぇか…」