T&F Warriors
[インターハイ〜地区予選〜](1/78)

選考が終わって2日。

いつものように大音量で起こされ、朝練を終えるとミーティングルームへと集合させられる。

つかさコーチ、はじめちゃんと、その横にいる2人の男女がいた。

「よーし、お前らは1軍に選ばれた選手だ。それに伴い、もう2人のコーチを紹介する!」

2人の男女は前に出て、女の方から自己紹介する。

「遠藤 園子(えんどう.そのこ)と言います。ここでは短距離と跳躍のコーチをしています」

一礼すると、男の方を見て、どうぞとジェスチャーする。

「長距離のコーチをします、沖田 零士(おきた.れいじ)です。1軍のみんなよろしくー」

紹介を終えるとつかさコーチは2人を下げさせ、「いいかお前らァ!」と叫ぶ。

「アタシ含めこの3人が今年の1軍コーチだ!あと2週間と少しで地区予選、それまで全力で動け!」

この人の士気の上げ方というのは、強引に見えるがつい乗せられてしまう。

大きく返事をしてしまい、気持ちと姿勢がより引き締まる。

「あ、あと大会ン時の応援の紙渡すから、1年は残れよー!」

応援...?と一瞬思ってしまったが、確かにぶっつけ本番よりは、こうやって前もって渡された方が有難い。

渡された紙には、大会の日の朝にうたう歌や、短距離と長距離の時の応援の違い、マイルリレーや四継を走る前の歌や、終わった後の歌などが書かれていた。

というかほとんど歌しか書いてなかった。

流石は強豪校だな、と勝手な理由をつけて、俺は紙を四つ折りにしてポケットに小銭のように雑にぶち込んだ。



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