いじめ撲滅委員会。
[バレンタイン特別編](1/3)
ー理桜子の場合ー
「零ー?」
「はい。」
そこら辺にいなかったはずの零が呼んだ瞬間現れる。
早っ!!
「はい。これ。」
そう言って私は零に小さな包みを渡す。
なんだかんだ言って零になにかあげるのはこれが初めてだ。
ましてや手作りなんて。
それを受け取った瞬間、珍しく零は全面に喜びを表した。
そして。
「ありがとうございます。お嬢様」
ふにゃりと笑った。
え。待って。何今の顔。
初めて見たんだけど。
平静を装う私の心情は嵐が吹き荒れていた。
そして、零自身も顔の緩みに気付いたのか、いつもの無表情に戻った。
「失礼しました。つい、舞い上がってしまいました。」
無表情ではあるものの、耳は真っ赤に染っていた。
「んああああああああ!!!!可愛い!!!!」
と、叫びだすのを抑えて微笑んだ。
そんな、新しい一面を知れたバレンタインの日。
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