たぶんお前への最後の手紙 ▼たぶんお前への最後の手紙(2/2)






 「ママぁ〜

 なによんでるの?」


 「…ん?

 ふふ、大事な手紙よ」




 病院のからっぽになった
 ベッドから、
 手紙を見つけてもう10年。



 あなたの死を知ったときは

 どうして、どうしてって
 ずっとあなたを責めていた。


 けれど手紙を見つけて
 読んだときに


 ああきっと、
 あたしが逆の立場でも
 同じことするだろうなって
 思ったの。




 あれから10年


 あたし、幸せになれたよ。


 夫も、子供もできて。


 …あなたは


 よかったねって
 笑ってくれるかな?


 ずっと幸せでいろよって
 言ってくれるかな?


 …あなたなら、
 きっと言うよね。



 思い出にしろとか
 書いてあったけどさ、


 あたし、絶対、あなたのこと

 忘れてなんか
 やらないんだから。


 これからもずっと
 憶えてるから。




 ねぇ、あたしは


 幸せになったよ。


 だから、安心して。



 ずっと

 見守ってくれて
 ありがとう。





 ――お世辞にも綺麗とは
 言えないけれど、力強い字。


 あなたからの最後の手紙は


 いつでもあたしの
 背中を押してくれる


 天国からの贈り物。




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