たぶんお前への最後の手紙 ▼たぶんお前への最後の手紙(1/2)





 俺から、お前に
 伝えたいことがあるんだ。


 これは、
 たぶんお前への最後の手紙。




 俺らは小学生で出会って

 中学生で付き合い始めて

 高校は遠く離れて
 遠距離になった。



 お前に別の高校で
 俺以上に好きなヤツが
 できるんじゃないかって、
 正直ちょっと心配してた(笑)


 でもお前は
 俺の心配なんかよそに
 毎日メールや電話くれたよな。


 俺かっこわりーからさあ、
 恥ずくて自分からなかなか
 そうゆうのできねーの。


 言えなかったけど、
 お前からのメールや電話、
 めちゃくちゃ嬉しかった。



 俺が地元に戻ったときは
 真っ先に駅に
 迎えに来てくれたな。

 んでそのまま1日中
 デートしてさ。


 お前は、俺にはもったいない
 くらいのいい女だよ。

 あんま会えねぇのに、
 俺に尽くしてくれた。






 …この手紙を
 読んでるっつーことは

 俺はもうこの世には
 いねえっつーことだな。


 この手紙、病室の枕の下に
 置いといたんだけどわかった?


 せめて最期くらい
 地元で過ごしたいと思って、
 こっちの病院に入院した。





 お前には言えなかった。

 病気なことも、
 こっちに戻ってきたことも。


 お前を悲しませたくなくて、
 何度もお前を
 突き放そうと考えた。


 でもできなかった。
 お前を手放すのが怖かった。

 きっと俺は
 お前なしじゃ生きていけない。


 自分勝手で、
 かっこわりーよな俺。

 ごめんな。




 俺からお前に
 伝えたいことがある。


 俺がお前を愛したように、

 お前も誰かを愛し、
 愛されてほしい。

 早く、俺以上に
 愛する人を見つけてほしい。


 これが俺にとって、
 一番幸せなことなんだ。


 俺のことは思い出にして。


 大丈夫、恨んだり
 しねーから(笑)

 ただ、早く幸せになんねーと
 化けて出てくるぞー。


 …冗談だって。




 ま、とにかく
 言いたいことは全部書いた!



 最後の最後まで
 弱っちい男でごめんな。



 俺のこと、早く忘れろよ。


 ……いや、やっぱ
 忘れられるのは寂しーわ(笑)

 たまには思い出せよー。



 ずっと見守ってるからな。


 俺はいつでも、


 お前の幸せを願ってる。




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