高嶺の花を摘ませてください

9新たな道へ

(1/7)


体育祭は最後のリレーで俊介たちが頑張ったおかげで、見事僕たち二組が逆転優勝し、大盛り上がりで幕を閉じた。

僕は優勝の立役者の一人としてみんなから褒め称えられ、しかし一部女子からは物凄く睨まれ──王子を転ばせたからだろう──しばらく体育祭の熱気に包まれて数日過ごした後。

とんでもないことが待っていた。



「……え!?」

職員室前の廊下に貼りだされていた生徒会選挙立候補者のポスターの中に。

何故か、『矢吹秀』の文字が。

「ええええええ!?」

目を見開いて後ろに仰け反り、まじまじとポスターを眺めてみた。

白い画用紙には、美術部員が描いたらしい、にこやかに笑う僕の似顔絵が。

その上部には『会計立候補・矢吹秀』の文字が。

真面目でさわやかなスポーツマンに清き一票を! ……の文字があああああー!!!!



- 89 -
back * # next
⇒栞を挟む
/95 page






⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?


[←戻る]