第十三章 逃避行 私は、体が落ち着くと、住み慣れた土地を離れた。 ここにいてはダメになる…と、思った。 そして、一番の理由は、健。 健に会わせる顔がない。 健から逃げたかった。 健が、毎日、どんな思いで過ごしているのか…。 考えただけで、胸が痛かった。 土地を離れる…と、言っても、先立つ物がない。 そこで、私は、寮完備のソープランドに行くコトにした。 経験者…と、いうコトもあり、すぐ来ていい、とのコトだった。 新しい土地に着くと、゙姉さん″と、呼ばれるオーナーに、寮まで案内された。 街から少し離れた所。 まぁまぁ、綺麗なトコだ。 「ここになるから。」 「はい。」 「家具は一応揃ってるけど、足りない物があったら言ってね。」 「はい。」 「食器類は、自分で揃えて。」 「はい。」 「いつから、お店に出る??」 「明日からでお願いします。」 「わかりました。名前は??」 「さくらがいいんですけど…。」 「さくら…ね。いないから、いいわ。じゃぁ、明日の16時半までにはお店に来てね。」 「はい。ありがとうございました。」 そう言うと、姉さんは出て行った。 ←( * )|( # )→ しおり ⇒作品?レビュー ⇒モバスペ?Book? BACKHOME |
---|