第一章 ウソ 朝、目が覚めると目の前には長いまつげ。 私は、彼の寝顔を見るのが大好きだ。 「おはよー」 「おはよー、りん」 私の名前は凛。今年で20才になる。 彼の名前は健太郎。同い年だ。 付き合いはじめて二年になる。 健は、ミュージシャンを目指している。 友達とバンドを組み、なかなかの人気だ。 「今日も寒いねー」 「凛は特に寒がりだからなぁ」 と言いながら、健の手には、もうギターが握られている。 「凛、今日も例のやつかー」 「うん、お願いー」 健の家に泊まりに来ると、目覚まし代わりに私はいつも、健にリクエストする曲がある。 ゛いつも隣に君がいる″ 健、オリジナルの曲だ。 「まだ歌詞出来てないのー?」 「うーん、凛がインスピレーションくれないからなぁ」 「あたしのせいかよ!」 「まぁ、ぼちぼち創るよ。完成する時も、そばにいてくれよ。」 「もちろーん」 健の創る曲は優しく、時に切ない。 いつ、どこで、誰とこんな想いをしてきたのだろう… ちょっと妬けてしまう… ←( * )|( # )→ しおり ⇒作品レビュー ⇒モバスペBook BACKHOME |
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