.第2章 咲(さき) 1/14
「で、どうだ?あの女。」
「はい……県警に入っていくところを確認しました。」
ゆりかは正成の部屋に来ていた。
「……ふん。こしゃくなことをやってくれるな。」
「しかし、彼女の身元を照会しましたが、特に警察とかかわるような経歴は出てきていません。」
「ほう。さすがに大道寺の情報網のことはわかっているようじゃな。」
「中学の頃から、何度か補導されていて、高校になるとキャバクラで働いているところを何度か警察に摘発されて、一緒に連行されたという記録は残っていました。それからも、あちこちの風俗やキャバクラを転々として暮らしている女です。」
「その女が……なぜここを希望したか分かるか?」
「いえ…私には全く……」
「ふん。」
正成が鼻を鳴らした。
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