.第1章 序章 1/20
ここ静岡県警では、この日、署全体が物々しい雰囲気に包まれていた。
静岡県警管轄の各部署各部門から、よりすぐりのエリートが一同に集められたのだ。
「なんだかすごい雰囲気ですね!」
そう話しかけられたのは、この春、警部に昇進したばかりの井上警部だ。
「いままで手を出せなかった牙城に手が届いたのは何よりうれしいなっ!」
井上が話しかけてきた若い刑事の肩を叩く。
一同は県警本部に集められ、作戦会議が始まった。
前に立っているのは、県警本部長の高島だった。
「みんな、ご苦労様。かたい挨拶は抜きにして…すぐに捜査作戦会議に入らせてもらう。」
周囲は一様に固い表情をしている。それだけこの事件の重さと重要性を認識している、ということだろう。
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