悲しくて…
[珈琲の香り](1/1)


あなたの友達が連れてきてくれました。
このお店が、あなたが通っていた珈琲ショップ、珈琲ショップというより、昔ながらの喫茶店という感じなんですね。

店内に流れるBGMは、聴いたことあるけど、タイトルは知らない。でも、心地いい。

小さいお店で、落ち着きますね。だから、あなたが通っていたんですね。

珈琲の香りが漂い初めて、私が香りの方を見ると、マスターがカウンターに珈琲を置いてくれた。



マスターとあなたのお友達がカウンターに座るように促してくれて、私は珈琲の出されたカウンター席に座った。

カウンターの一番端の席、あなたのいつも座る席だと教えてくれた。



横の壁には雪山の写真が掛けてある。

あなたの愛した山、そして、あなたを連れ去った山…





涙がこぼれた。





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