絶対不可欠彼氏!
♪華とマリーゴールドのミスティバレン・後(1/17)
♪華雪
バレンタインまであと5日。
この間まで遥と浮かれてたあの陽気はどこへやら、私の気持ちは焦りと不安でいっぱいだった。
なぜならばあの家に帰って、凛兄との話の内容が想像を絶するものだったから……
「華雪」
「………はぁ…」
「華雪!」
「ぇ……キャッ!!」
「大丈夫か?」
ずっと考え事をしていたせいか、誰かが近くにいても全然気付かなかった…
修大は心配そうに私を覗き込む。
その後ろには藤村君、阿部君、遥、竜樹がいた。
…これだけいつものメンバーがいたのに、気付かなかった私って…
自分でも呆れた。
「ミスティバレンの現時点での投票結果が出てるって。
みんな、見に行ってるし俺らも行かないか?」
修大の問いかけに、私は息を詰まらせた。
だけど返事をしないとまた心配させちゃうし…
何とか声を振り絞る。
「うん、行こう」
…あぁ、きっと何も知らなければ、今も幸せでいれたのに。
そんなバカみたいな思いが、頭の中をよぎった。
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