生きた記録
[凌辱](1/10)
中学1年(3)
自宅に到着した時

あぁ、ここからは逃げられないんだ

と実感しました。

もう二度と帰らないで済むと思った家。

そこにまた入る事が、こんなにも悲しい事だとは。

絶望で腰が抜けていた私は、義父の肩を借りリビングに行きました。

義父に怒られるんだろうな

殺されるかなぁ

殺してくれないかなぁ

そんな事を考えて座り込んでいると

「風呂入れてあるから入れ」

と言われました。

無意識のうちに体が動きます。

義父の命令は絶対。

こんな時でも体は覚えていました。

お風呂に入ってシャワーを浴びている時にまた泣きました。

悲しいのか

悔しいのか

何なのかわかりませんが

これでもかってほど、涙が溢れました。

それからお風呂から出て、着替えを用意していない事に気付きました。

義父にお願い出来る訳がありません。

やむを得ずさっき脱いだ制服をまた着る事にしました。

さすが下着をまた付けるのには抵抗があったので

部屋までだし

と思い、下着を付けずに脱衣所を出ました。

しかし、お風呂場から部屋に行くにはリビングを通らないと行けません。

義父に何か言われたら嫌だな…

と思いながらリビングに行くと、義父の姿はありませんでした。

寝たのかな。

寝るにしてはまだ夕方です。

早過ぎるとは思ったものの、いないには越したことは無いので気にせず部屋に向かいました。

しかし

私の部屋の電気が点いています。

3日前に消し忘れたのでしょうか。

3日前は自由になれると思い込み、舞い上がっていたので有り得る話しです。

私は気にせず部屋のドアを開けました。

見慣れた部屋。

小学生の頃から模様替えをしていないので、少し幼い感じですがいつもの部屋でした。

ただ、私の机に向かって座っている人を除いては。

義父でした。

何をしているのか

義父に近寄ってみて気付きました。

私のパソコンを使っています。

ノートパソコンには、私がいつも使っていたメッセンジャーが表示されていました。

私に気付き振り向く義父。

その顔は、いつか男の子が訪ねて来た時のそれより恐ろしいものでした。

「こんな物で男漁ってたのか!!!」

もの凄い形相で胸元を捕まれ、そのまま顔面を殴打されました。

胸元を捕まれているので倒れる事も出来ません。

「そんな…男なんて探してません
!」

やっと声を出しそう言いましたが、義父は更に怖い顔になりパソコンを指差し

「この履歴は何だ!全部男だろ!児童相談所なんて入れ知恵までされやがって!!」

とまた殴られました。

ほとんど意識はありません。

胸元を捕まれているので、何とか立ってはいますが、全身の力が抜けたようでした。

事実、チャットの履歴は全部男性です。

普通にやっていたら、そうなってしまいます。

実際『会って話そうよ』と言ってくれる人も居ましたが、会ったりしてません。

そもそも電話ですら、怖くて男の人とは話しが出来ないのです。


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