生きた記録
[再会(後編)](1/3)
中学2年(8)
絶望の家。

何も無い家。

そんな家を『自宅』と呼べるのでしょうか。

1ヶ月ぶりに帰ったその家は、何も変わった様子もありませんでした。

またここで奴隷として生きる…

1ヶ月とはいえ、希望に満ち溢れた生活をしていた私には堪え難い苦痛になるでしょう。

警察署から連れて来られた日は

当然のごとく暴力と性的な事の強要を予測していたのですが

何故か義父は

「お風呂に入って早く寝なさい」

と言い残し、先に自分の部屋へと消えてしまいました。

暴力を期待していた訳ではありません。

当然、性的な事も期待していません。

でも、以前の義父なら火のように怒り狂い

私の意識が飛ぶまで暴力を振るった事でしょう。

予測に反した行動は、恐怖心を生みます。

『あぁ…私はここから逃げられないんだ…』

すぐにでも家を出て宗助の元へ戻る気だった私の気持ちは

恐怖で封じられてしまいました。


- 135 -

前n[*][#]次n
/137 n

⇒しおり挿入


⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?

[編集]

[←戻る]