ﾋﾄﾘｶｸﾚﾝﾎﾞ

・着信(1/5)11676
　　└‥誰か、助けて
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　静まる教室に、周知の事実が担任から告げられた。

｢え―、もう皆さんは知っている事だと思うが、隣の組の生徒が亡くなった。事件性はまだ濃いらしいから、警察の方からの事情聴取が回ってくるかもしれない。
　それぞれ思う事があるだろうが、お前達は今大事な時期だ。今は、亡くなった生徒のためにも、学業に専念しなさい｣

　そう言い終えた担任は、その顔を力なく黒板に向けた。朝のホームルームが終わり、私はしばらく放心状態だった。

｢あのさ、香織……。昨日、英里からメール来た??｣

｢うん。優衣にも来たの？｣

　声の主は一度頷いた。
　私の名前は神坂香織。私に話し掛けてきた少女は、友達の板倉優衣だ。

｢それがね、美沙と夏樹にも来てたんだよ。｣

｢……。｣

　私と英里、優衣、美沙、夏樹は仲良し５人組として有名だった。

でも、英里はもう……。

　私の思考が再び暗くなるのを感じたのか、優衣は謝ってきた。

｢ごめん。でも、気になってたんだよ、英里が言ってたこと――｣

｢あぁ、あの遊び…。でも多分、偶然でしょ??｣

　そう言った瞬間だった。ガラリと教室のドアが開き、隣のクラスの夏樹が入ってきた。

｢あの遊び、絶対終わらせなきゃいけないって聞いたことあるんだけど。

なのに英里、終わらせられなかったんだよね？｣

―…そう。

一人隠れんぼは絶対に、何があっても終わらせなきゃいけない。それがルールだ。

｢だったら、うちらが終わらせなきゃ｣
｢――やだよ!!何で?!｣

｢メール見たでしょ??

英里はうちらに“一人隠れんぼ”伝染させたのよ。自分が終わらせられなかったから……｣

夏樹の説明から、私は恐怖を抱いた。

つまり、遊びを始めて、終わらせてしまわなければ、

私達は得体の知れない何かに狙われ続ける事となる。

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