[1] 舞踏会 ( 32 / 33 )
レオンが意識を失った後、
「これで良かったんですか?師匠」
ルナがファンに向かって言う。
「おう。今回のこの脱走作戦の真意、覚えているか?」
「えぇ。私を王族の縛りから解放し自由に杖を探せるようにするため、そして、来たる『彼ら』との戦いに備えてレオンの力を見定め、師匠が必要最低限レオンに助力するため、です」
「おう。その通りだ。予定通り、評議会と親衛隊の目はごまかせた。今回の舞踏会、陛下やお妃様は欠席されたため、親衛隊も隊長クラスは警護に当たっていなかったおかげでもあるがな」
「それで、レオンは?」
「おう。不合格だ。魔法が完全に使えてない。魔法に呑まれているな。本当にアイツの息子か?」
「確かに、あの方とは天と地ほどの差がありますが、それはレオンの魔法が魔法ですから仕方ないのでは?」
「おう。霊気ではなく、エアルで発動する魔法、星霊魔法か…」
「本人は自覚はないようですが、レオンは体内に電気と霊気を宿しており、体内でエアルを生成して、それを魔法として使っています。霊気ではなく、エアルを扱うので魔法のコントロールが難しいのでしょう」
「おう。だが使いこなせれば期待できる力を発揮する。だから、オレはそこにかけてみようと思う」
「それじゃあ」
「おう。そうだな、とりあえず、今日はこの草原の先にロッジがあったから、そこで夜を明かすとしようか」
「はい」
そう言って、ファンはレオンを背負って歩き始める。
月が出ているとはいってもやはり少し薄暗い。
ルナはファンを見失わないように追いかけた。
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