花飾りに剥がれた仮面
第九話*[花への招待状](1/5)
「レミがいなくなった……?」
何を話すでもなく大して言葉も交わさないまま、それでもいつもの習慣で揃って辿り着いたイレイク家の門前。
二人はそこでその事実を伝えられた。否、突きつけられた。
「いなくなったってどういうことだ?」
馬上から降り立ったケインは眉間に皺を刻み、慌てた様子で報告をしてきた女との距離を詰めた。
彼女はいつもレミの身の回りの世話をしている侍女で、幾らか年を重ねている見た目通りそれなりの経験を積んでいるため、侍女長に次ぎ他の侍女や侍従たちのまとめ役ともいえる人物だった。
そんな彼女が、血相を変えている。
- 41 -
前n[*]|[#]次n⇒しおり挿入
⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?
[編集]
[←戻る]