「とりあえず、あたしはグラームさんに会いたい。」
ユウリはシランとタユに言った。
タユはユウリを見つめたまま無言。
シランはタユを一瞥して押し黙った。
ようするに、沈黙。
「せめてあの人の居場所を知りたい。」
シランが、少し眉を寄せた。
タユからの超音波。
『シラン、何を知ってる?』
若干の耳鳴りを伴うタユの声。
思い出すのはチャエからの定時連絡。
『私に話せること?』
「それは…難しいな。」
タユにも、ユウリにも向けた言葉。
「そう、ですか。」
見るからに気落ちしたユウリを、タユが凝視する。
それは、集中して何かを考える時の癖。