狩る者と狩られる者
[取引](1/11)




「とりあえず、あたしはグラームさんに会いたい。」




ユウリはシランとタユに言った。



タユはユウリを見つめたまま無言。



シランはタユを一瞥して押し黙った。



ようするに、沈黙。




「せめてあの人の居場所を知りたい。」




シランが、少し眉を寄せた。



タユからの超音波。




『シラン、何を知ってる?』




若干の耳鳴りを伴うタユの声。



思い出すのはチャエからの定時連絡。




『私に話せること?』




「それは…難しいな。」




タユにも、ユウリにも向けた言葉。




「そう、ですか。」




見るからに気落ちしたユウリを、タユが凝視する。



それは、集中して何かを考える時の癖。



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